近鉄の観光特急「あをによし」

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観光列車


今回は様々な観光特急を展開している近畿日本鉄道(近鉄)をご紹介します。

その中でも今回取り上げるのは大阪・京都・奈良の三都を結ぶ観光列車「あをによし」です!

近鉄の観光特急「あをによし」で古都・奈良への旅を楽しもう

近鉄の観光特急「あをによし」は、大阪・京都・奈良の三都を結ぶ観光列車として2022年4月から運行を開始しました。その名称の「あをによし」とは、奈良に掛かる枕詞から名付けられており、今なお往年の奈良の都を思い起こさせる言葉として使用されています。車内外に三都の歴史や文化が感じられるデザインやモチーフが数多く盛り込まれていることも特徴で、乗車した瞬間から、ここから始まる古都・奈良への旅路が楽しくなるような趣あふれる空間が広がっています。

「あをによし」の車内の様子

「あをによし」は4両1編成で全84席です。座席は2名用のツインシートと3~4名用のサロンシートの2種類があります。通常の3割程度の席数に抑え、軽食や飲料を提供する販売カウンターなども設けて、ゆったりとした移動空間を整えています。

ツインシート

「あをによし」の標準的な座席です。2人用の座席で、向かい合わせ2人掛けの席と、やや窓側を向いた2人掛けの席があります。座った人を包み込むようなシートは、家具メーカーによる特注デザインです。観光特急ならではのあしらいで、上質な時間を体験できます。

サロンシート

パーテーションで区切られた半個室です。「あをによし」の2号車に3区画あり、3人から4人で利用できます。座席と通路はアーチをあしらい、高級感を演出しています。グループで旅行する方におすすめです。

ライブラリー

「あをによし」の4号車には、沿線に関する書籍をそろえたライブラリーがあります。ソファーも用意されており、無料で利用可能です。沿線の歴史や文化に触れながら、静かに読書を楽しむことができます。

販売カウンター

「あをによし」の2号車には、スイーツやドリンク、お土産品などを販売するカウンターがあります。正倉院御物などにも使われている「校倉造(あぜくらづくり)」をイメージしたデザインで、奈良県産品を使ったスイーツや車内限定のオリジナルグッズをはじめクラフトビール、おつまみなどを販売しています。シェラトン都ホテル大阪考案の「あをによしバターサンド[レーズン&マロン]」は、特に人気の商品です。

「あをによし」の運行情報と予約方法

「あをによし」は、木曜日を除く週6日、大阪難波~近鉄奈良~京都間を1日1往復、京都~近鉄奈良間を1日3往復の運行が基本です。現在、2024年1月末までの運行日が発表されています。途中駅の時刻は、一部の駅のみ掲載しています。

特急名運行区間時刻停車駅座席運行日
第1便大阪難波~京都9:15発~10:33着(平日)
9:35発~10:48着(土休)
大阪上本町、鶴橋、生駒、学園前、近鉄奈良、大和西大寺、近鉄丹波橋、京都ツインシート、サロンシート2023年2月4日~8日、10日~12日、18日~28日
2023年3月~2024年1月:木曜日以外に運転(一部例外あり)
第2便京都~近鉄奈良11:00発~11:34着(平日・土休)京都、近鉄丹波橋、大和西大寺、近鉄奈良ツインシート、サロンシート同上
第3便近鉄奈良~京都11:50発~12:25着(平日・土休)近鉄奈良、大和西大寺、近鉄丹波橋、京都ツインシート、サロンシート同上
第4便京都~近鉄奈良13:00発~13:34着(平日・土休)京都、近鉄丹波橋、大和西大寺、近鉄奈良ツインシート、サロンシート同上
第5便近鉄奈良~京都13:50発~14:25着(平日・土休)近鉄奈良、大和西大寺、近鉄丹波橋、京都ツインシート、サロンシート同上
第6便京都~近鉄奈良14:40発~15:14着(平日)
15:00発~15:34着(土休)
京都、近鉄丹波橋、大和西大寺、近鉄奈良ツインシート、サロンシート同上
第7便近鉄奈良~京都15:30発~16:06着(平日)
15:50発~16:25着(土休)
近鉄奈良、大和西大寺、近鉄丹波橋、京都ツインシート、サロンシート同上
第8便京都~大阪難波16:20発~17:34着(平日)
16:40発~17:59着(土休)
京都、近鉄丹波橋、大和西大寺、近鉄奈良、学園前、生駒、鶴橋、大阪上本町、大阪難波ツインシート、サロンシート同上

最新の運行情報は運行日カレンダーをご覧ください。

「あをによし」の特急券の予約・購入は、インターネット・近鉄駅窓口・旅行会社にて受け付けています。インターネットで予約する場合は、「近鉄電車 インターネット予約・発売サービス」を利用できます。チケットレスサービスや仮予約サービスもあります。

近鉄主要駅の特急券窓口では、ご乗車日の1か月前の10時30分より特急券を購入できます。旅行会社では、特急券および乗車券を発売しています。詳しくは各旅行代理店にお問い合わせください。

「あをによし」の料金と割引きっぷ

「あをによし」の料金は、乗車券のほかに特急券と特別車両券が必要です。特急券は、大阪難波~京都間で利用する場合、通常だと大人920円、子ども460円ですが、「あをによし」乗車の場合は790円、400円に割り引きされます。特別車両券は、大人210円、子ども110円です。合計の料金は、大阪難波~京都間で2,140円、大阪難波~近鉄奈良間で1,680円、近鉄奈良~京都間で1,760円です(大人1名あたり)。

ツインシートは2名でご利用いただけます。サロンシートは3名または4名でご利用いただけます。1人で乗車する場合には、1人分の子ども特急券・特別車両券を購入することで、ツインシート2席分を利用できます。

「あをによし」には、割引きっぷもあります。例えば、「近鉄全線2日間フリーきっぷ」(2023年5月8日(月)から2023年6月28日(水)までの期間限定)は、近鉄の全線が連続する2日間乗り放題になるきっぷです。大人3000円、子ども1500円で購入できます。このきっぷを持っていれば、「あをによし」に乗るためには特急券と特別車両券だけでOKです。

料金表(一部抜粋)

区間乗車券特急券特別車両券合計
大阪難波~京都1,140円790円210円2,140円
大阪難波~近鉄奈良680円790円210円1,680円
近鉄奈良~京都760円790円210円1,760円

※大人1名あたりの料金です。子どもは半額です。

※ツインシートを1名でご乗車の場合は、ご自身の乗車券・特急券・特別車両券に加えて、こども分の特急券・特別車両券をご購入ください。

※サロン席は3名から4名でご利用可能です。

※※印の特急料金は、インターネット・駅窓口・券売機で購入した際の割引適用後の金額です。

奈良県のおすすめ観光地と近鉄を使用した移動方法

奈良県は日本の古都で、四季折々に美しい風景や歴史的な文化財を楽しめる観光地です。奈良県のおすすめ観光地を四季ごとに分けて紹介します。

春は桜の名所が多い季節です。以下の2つのスポットがおすすめです。

  • 奈良公園:東大寺や春日大社などの世界遺産に囲まれた約1700本の桜が見事に咲き誇ります。近鉄奈良線の近鉄奈良駅から徒歩約10分で奈良公園に到着できます。
  • 吉野山:上千本と中千本という2つのエリアに分かれた約3万本の桜が一斉に咲き乱れ、山全体がピンク色に染まります。近鉄吉野線の吉野駅からロープウェイやバスで各エリアへアクセスできます。

夏は自然豊かなエリアが涼しげな雰囲気を演出します。以下の2つのスポットがおすすめです。

  • 谷瀬の吊り橋:日本最長の木造吊り橋で、橋から見下ろす川面や周囲の山々は夏の風物詩です。JR五条駅から十津川経由新宮行バスで1時間50分ほどで「上野地」下車で行けます。
  • 室生山上公園芸術の森:芸術作品や彫刻が点在する公園で、夏にはハスやヒマワリなどの花が咲きます。近鉄大阪線の室生口大野駅からバスで約15分で室生山上公園芸術の森に到着できます。

秋は紅葉の美しさが際立つ季節です。以下の2つのスポットがおすすめです。

  • 法隆寺:世界最古の木造建築物として有名な寺院で、秋には境内や周辺の山々が色とりどりに染まります。近鉄田原本線の法隆寺駅から徒歩約20分で法隆寺に到着できます。
  • 玉置神社:古くから信仰されている神社で、秋には境内や周辺の木々が赤や黄色に色づいて美しい景色を見せてくれます。奈良方面からの場合は八木駅、五條駅から十津川温泉下車。十津川温泉(バス停)から玉置神社まで土・日・祝日は世界遺産予約バスを利用。平日はタクシー利用(片道約4,000円程度)

冬は雪景色やイルミネーションが楽しめる季節です。以下の2つのスポットがおすすめです。

  • 洞川温泉:日本最高所にある温泉地で、冬には雪化粧した山々や渓谷が幻想的な景色を作り出します。下市口から奈良交通バス(洞川温泉いき)に乗り約70分ほどで到着できます。
  • NARA KINGYO MUSEUM:金魚とアートがコラボしたエンターテインメントアクアリウムで、冬にはイルミネーションが施されて華やかになります。JR奈良駅(西口)、近鉄奈良駅、新大宮駅から無料シャトルバスが運行されています。

以上が、奈良県のおすすめ観光地と近鉄を使用した移動方法の紹介です。奈良県は四季折々に魅力的な観光スポットがたくさんありますので、ぜひ訪れてみてください。

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